核融合炉の開発を手がけるドイツの新興企業プロキシマ(Proxima)・フュージョンは11日、シリーズAの資金調達ラウンドで1億3,000万ユーロを獲得したと発表した。欧州の民間の核融合技術企業の調達額としては過去最高だという。世界初となるステラレータ型の商用核融合発電所を2030年代に稼働させることを目指している。
プロキシマは23年1月、ドイツのマックス・プランク・プラズマ物理学研究所からスピンオフ(事業の分離・独立)した最初のスタートアップ企業。調達総額は1億8,500万ユーロを超える。
今回の調達資金により、27年までにステラレータ・モデル・コイル(SMC)を完成させる計画。31年の稼働を予定している実証用ステラレータ「アルファ」の開発に向けた重要なステップになるとしている。
フランチェスコ・シオルティーノ最高経営責任者(CEO)は「核融合は世界のエネルギー源を天然資源から技術主導に転換する戦略的なチャンスだ。われわれは欧州初の核融合発電所を今後10年間で稼働させる道筋を加速させていく」とコメントした。
今回の投資ラウンドは、ドイツの投資会社チェリー・ベンチャーズと英ベンチャーキャピタル(VC)企業バルダートン・キャピタル(Balderton Capital)が主導した。
ドイツのメルツ首相はかねて、世界初の核融合炉の商用化に前向きな姿勢を示している。[環境ニュース]
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