英国政府は5日、年金制度改革に向けた新法案「年金制度法案」を発表した。個々の年金制度の成績を示す新制度や、複数の雇用主の下で積み立てた少額の年金の統合、250億ポンド規模の「メガファンド」の創出などを打ち出している。年金の運用効率を改善するとともに年金管理を簡易化し、労働者が退職後の生活設計をしやすくする狙い。
法案では、個々の確定拠出型年金制度について、払込金に対する受給額の大きさを比較できるようにする。転職を繰り返すことなどにより生じた積立額1,000ポンド以下の複数の企業年金は、単一の年金制度に統合できるようにする。また、全ての年金制度に対し、退職時に収入を確保できるデフォルトの選択肢の提供を義務付ける。
既存の確定拠出型の職域年金制度を統合し、運用効率の高い250億ポンド規模のメガファンドとする案や、地方自治体の年金基金を6つに統合し、国内企業への投資を義務付ける案も盛り込まれた。財務省は5月にこれらの案を公表していた。
リーブス財務相は今回の法案について「年金を増やし、国内経済への500億ポンドの投資を促す画期的措置だ」としている。[労務]
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