国連総会は2日、ドイツのベーアボック前外相を、次期総会の議長に選出した。就任は9月で、任期は1年。対立候補はいなかったが、ロシアの要請で秘密投票が実施された。ベーアボック氏への賛成票は167。14カ国が棄権し、7カ国は、ドイツ政府が当初議長候補としていた外交官のヘルガ・シュミット氏に投票した。
ベーアボック氏は外相時代、ウクライナ支持を鮮明にし、ロシアに強硬な姿勢を取っていた。ロシアはベーアボック氏について、中立性に問題があると主張し、議長就任に反発。通例である拍手での承認ではなく、秘密投票の実施を求めた。
ベーアボック氏は選出後の演説で「われわれは困難な時代に生きている。不確実性の中を綱渡りのように歩んでいる」と語り、「193の全加盟国に対し、誠実な仲介者として、そして統合者として奉仕していく」と強調した。
国連総会議長は5つの地域グループが持ち回りで務めており、次期任期は「西欧とその他」の番となっている。議長は中立的な立場であり、権限は限られているが、議題や優先順位の設定、手続きの監督を通じて、議論形成に影響を及ぼすことができる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。