英国のスターマー首相は2日、新型の攻撃型原子力潜水艦「SSN−オーカス」を最大12隻建造すると発表した。米国およびオーストラリアとの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の一環。同氏はこの日に公表した「戦略的防衛見直し」に基づき、軍備を「戦闘準備態勢に移行する」と表明した。
「戦略的防衛見直し」は、新たな国防方針となるもので、政府の委託を受けた専門家がまとめた。戦闘準備態勢への移行など62の提言から成り、政府はこれをすべて受け入れるとしている。
スターマー氏は、英国は「先進的な軍事力を持つ国々からの直接的な脅威にさらされている」と指摘。脅威をかわす最も効果的な方法は、戦闘準備が整っていることを相手に見せることだと述べた上で、「英国軍の空洞化に終止符を打つ」と宣言した。
政府はこれに向け、弾薬などの備蓄を増やすとともに、危機や戦争に際し迅速に生産を拡大できる体制を整える。少なくとも6つの弾薬工場を新設するほか、国産の長距離兵器を最大7,000発調達する。このほか、サイバー・電磁司令部を創設する計画や、兵員不足に歯止めをかけるため、15億ポンドを投じて軍の官舎を改修する計画も明らかにした。
政府は、防衛産業は経済成長の原動力にもなると強調。原潜の建造や弾薬工場の建設を通じて、3万人の高技能人材の雇用を創出できるとしている。[労務]
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