英国政府は、永住権付与の条件となる居住年数を5年から10年に延長する措置について、すでに国内に居住する移民への適用を検討しているもようだ。2020年以降に急増した外国人労働者が一斉に永住権を申請する事態を回避する狙いとみられる。BBC電子版が14日伝えた。
スターマー首相は12日、永住権の申請には「経済と社会への多大な貢献」を示さない限り、10年間の居住を要件とする方針を示した。内務省は、新条件の発効時期を明らかにしていないものの、発効後に手続きを行った永住権申請者には、入国時期に関わらずこれを適用する方針という。
クーパー内相はかねて、向こう数年に永住権申請者が急増することを懸念しているという。英国には20年以降に約150万人の外国人労働者が流入しており、居住年数を5年とする現行条件を変えなければ、これらの外国人労働者は今年以降に永住権を申請することが可能となる。
内務省は、向こう数週間に公表する文書で新条件の適用方針を明らかにし、意見公募を行った上で最終決定する見通し。ただ、すでに国内に居住し、永住権取得を見込んでいる移民が新条件の対象となれば、法廷に持ち込まれ違法判決が下される可能性もある。[労務]
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