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メルツ政権、不安な船出 首相指名選挙は異例の再投票

ドイツ連邦議会(下院、定数630)は6日、新首相に中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首を選出した。同日午前の首相指名選挙でメルツ氏は、必要な過半数の316票に届かず、ドイツ連邦共和国史上初めて第2回投票に持ち込まれた。午後に実施された2回目の投票では325票を獲得し、なんとか新政権発足にこぎつけたが、メルツ政権の船出は極めて不安定なものとなった。

首相指名選挙は従来形式的なもので、過半数を得られない事態は予想されていなかった。1回目の投票には621人が参加。メルツ氏の首相就任への賛成票は310票にとどまり、反対307票、棄権3票、無効が1票だった。連立政権を構成するCDUと姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)、中道左派・社会民主党(SPD)の合計議席数は328。投票は無記名で実施しており、誰が造反したのかは特定できない。

政界からは、3党の執行部の指導力不足を指摘する声が上がった。国政最大野党となる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル党首は、「3党連立の基盤がいかに弱いものかを示した」と述べた。

欧州議会のシュトラック・ツィンマーマン議員(自由民主党=FDP)は声明で「政治的な判断ミスと不十分な準備の結果」と3党を批判し、「政治的不安定の兆候」だと先行きに懸念を示した。

メルツ氏は第2回投票終了後、すぐに大統領官邸であるベルビュー宮殿に移動し、シュタインマイヤー大統領から任命書を受け取った。閣僚17人の就任式も同日中に開かれる。


関連国・地域: ドイツ
関連業種: 政治

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