英国のスターマー首相は3月31日、ロンドンで開かれた組織的入国犯罪対策サミットで演説し、各国の協調を呼びかけた。密入国をあっせんする犯罪組織の元で、北アフリカや中東などからイギリスを目指す移民が後を絶たず、抜本的な解決を模索する考えだ。
サミットは英国が主催。米国やフランス、ベトナム、イラクなどの政府関係者のほか、米ソーシャルメディア大手メタ(旧フェイスブック)や中国発の動画投稿アプリTikTok(ティックトック)といった大手プラットフォームの代表者も出席した。密入国をあっせんする犯罪組織が、プラットフォームで渡航を募るケースが多く、犯罪抑止に向けて各国政府との連携を促す狙いだ。
スターマー氏は「卑劣な取引は、われわれの制度の隙間を利用し、国家同士を対立させ、政治レベルでの団結不足から利益を得ている」と強調。密入国をあっせんする犯罪組織の捜査・摘発に向けた国際的な取り組みを強化するために、計3,300万ポンドを投じると表明した。
英政府は同日、昨年7月の政権発足以来、滞在資格を持たない移民2万4,000人以上を送還し、送還率は過去8年間で最高だったと発表した。一方で、ロイター通信によると、小型船で英国に密航する移民の数は増加しており、2024年は3万6,800人余りと、前年比25%増。今年はすでに6,600人以上が上陸し、前年同期比で4割以上増えているという。
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