フランスのマクロン大統領は18日、独ベルリンを訪問し、ショルツ首相と会談した。20~21日の欧州連合(EU)首脳会議(サミット)を前に、ウクライナ情勢や、欧州の防衛力と競争力の強化を協議した。マクロン氏は、ショルツ氏が所属する中道左派・社会民主党(SPD)などが連邦議会(下院)に提出した、財政規律緩和に向けた基本法(憲法)改正案がこの日、可決されたことに祝意を表明した。
SPDは中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)が主導する連立交渉に参加している。3党は債務規制の対象外となる5,000億ユーロのインフラ整備特別基金の新設や、対国内総生産(GDP)比で1%を超える防衛費を債務規制の対象外とすることなどを盛り込んだ財政規律緩和策を打ち出している。
実行に必要な基本法改正案を連邦議会が可決したことについて、ショルツ氏は共同会見で「議会はドイツが責任を果たすことを可能にする、歴史的な決定を下した」と述べ、欧州の防衛力強化への貢献につながると強調した。マクロン氏はこれに対し、防衛予算を拡大でき、ウクライナを引き続き支援することもできると期待感を示し「欧州にとっても、よいニュースだ」と応じた。
マクロン氏は、次期首相就任が濃厚なCDUのメルツ党首とも面会した。メルツ氏は声明で「強い欧州をつくるには、緊密な独仏関係が必要だ」と述べ、マクロン氏とともに、欧州の経済力を生かして、安全保障をさらに強化していくと力を込めた。
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