連立交渉を進めているドイツの中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)、中道左派・社会民主党(SPD)は14日、計画する財政規律緩和策について緑の党の合意を得た。ドイツ公共放送連盟(ARD)が報じた。緩和策の実行には基本法(憲法)の改正が必要。緑の党の協力を取り付けたことで、連邦議会(下院)での基本法改正案の可決にめどが立った。
財政規律緩和策は、債務規制の対象外となる5,000億ユーロのインフラ整備特別基金の新設や、対国内総生産(GDP)比で1%を超える防衛費を債務規制の対象外とすることなどを盛り込み、大規模な借り入れを可能にする内容。緑の党の賛同を得るため、インフラ整備特別基金のうち、1,000億ユーロを気候変動対策に振り向けることとした。
基本法改正には連邦議会で3分の2以上の賛成が必要だが、CDU・CSUとSPDだけでは満たせず、緑の党の協力を求め交渉を続けてきた。連邦議会は改正案を18日に採決する。25日に発足する新議会ではなく、現議会で採決することに対して、新議会で第2党となる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と、議席数を大きく伸ばした左派党が抵抗。両党は採決を阻止するため連邦憲法裁判所に緊急の申し立てを行ったが、憲法裁は14日、却下した。
連邦議会で可決された場合、改正案は連邦参議院(上院)に送られ、3分の2以上の賛成が得られれば成立する。
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