英国のミリバンド・エネルギー安全保障・ネットゼロ相は14日、中国の公式訪問を開始した。3日間の日程で、黄潤秋生態環境相や国家エネルギー局の王宏志局長と会談する。米国が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの再度の離脱を決める中、英国は環境分野で中国との協力強化を目指す。
英国のエネルギー相が中国を訪問するのは2017年以来となる。ミリバンド氏は今回の会談で、気候変動問題で両国の協力を深めていくと共に、中国に環境対策を加速させるよう促す方針だ。また、環境分野での両国の定期会合の開催を目指しており、年内に中国側の担当閣僚を英国に招待するとしている。
英政府は30年までに電力部門の脱炭素化を実現する目標を掲げる。ミリバンド氏は訪中に当たり、中国と水素や二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)などのプロジェクトに共同で取り組むことは、双方にとって利益になると説明。また、英国は昨年に石炭火力発電を完全に廃止しており、中国の脱石炭計画を支援できると述べた。
中国は再生可能エネルギーへの投資額が世界最大で、この分野の供給網(サプライチェーン)でも鍵を握る。一方で、同国は世界最大のCO2排出国でもあり、排出量は米国と英国、欧州連合(EU)、インドの合計を上回る。[環境ニュース]
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