ドイツ連邦議会(下院)は13日、連立交渉を正式に開始した中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)、中道左派・社会民主党(SPD)が提出した、基本法(憲法)改正案を審議した。基本法改正は3党が連立予備協議で合意した、財政規律緩和策を実行に移すために必要な手順で、採決は18日に実施する予定。
基本法改正には連邦議会で3分の2以上の賛成が必要だが、CDU・CSUとSPDだけでは3分の2に満たない。両者は採決までに緑の党の協力を取り付けたい考えだが、説得は難航しており、可決は不透明な状況だ。可決された場合、改正案は連邦参議院(上院)に送られ、3分の2以上の賛成が得られれば成立する。
財政規律緩和策は、債務規制の対象外となる5,000億ユーロのインフラ整備特別基金の新設や、対国内総生産(GDP)比で1%を超える防衛費を債務規制の対象外とすることなどを盛り込み、大規模な借り入れを可能にする内容。
キール世界経済研究所(IfW)は13日、こうした政策が実行されれば、2026年の国内総生産(GDP)は1.5%成長するとの見通しを発表した。昨年12月時点ではプラス0.9%と予測していたが、引き上げた。25年についてはゼロ成長との予想を据え置いたが、26年には「金融政策の緩和に加え、経済回復と公共投資の増加」で、独経済は拡大していくとみている。
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