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NHSイングランドを廃止へ 政府管理下に戻し効率化=英首相

英国のスターマー首相は13日、国民医療制度(NHS)であるNHSイングランドを廃止すると発表した。同機関の役割を保健・社会福祉省の管理下に戻し、「官僚主義」を削減すると強調した。これにより、近年深刻となっている患者の待機時間を短縮し、最前線のサービスにより多くの予算を充てることができるとしている。

スターマー氏は演説で、多額の医療予算に関する決定を、独立機関で行うべきではないと主張。「NHSイングランドを廃止し、NHSを本来あるべき政府の中枢に戻す」と明言した。

同氏は2012年に当時の保守党政権が実施したNHS改革によって、NHSイングランドと保健・社会福祉省で働く職員は10年以降で2倍以上に増えたと指摘。医療管理スタッフを50%削減することで、数億ポンドの節約につながると述べた。これにより、看護師や医師、手術、一般家庭医(GP)の予約など必要とされる場所に予算を集中できるという。

労働党政権はNHSの抜本的改革を表明している。昨年9月には10カ年計画を策定し、NHS創設以降で最大の改革を断行すると明らかにした。経済成長策「プラン・フォー・チェンジ」の優先政策6項目の中でもNHSの待ち時間解消を掲げており、スターマー氏は今回、過去5カ月連続で待機患者が減少したとして、これまでの成果を強調した。

最大野党・保守党はNHSイングランドの廃止について、「NHS管理の合理化と、直接的に管理する原則」だとして歓迎した。保守党政権時代に保健・社会福祉省を務めたハント前財務相は、「大胆な決定」を評価しつつも、政治による過剰な中央集権につながった場合は失敗するだろうと警告した。


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済政治

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