英国のスターマー首相は25日、防衛費を対国内総生産(GDP)比で3%まで引き上げる新たな目標を表明した。2027年までに従来目標の2.5%を達成し、29年までに予定される次回総選挙以降さらに拡大する計画だ。防衛費を巡っては米トランプ政権が欧州諸国に増額を迫っている。
英国の防衛費は現在GDP比2.3%で、2.5%への拡大は保守党の前政権時から計画している。財源を確保するために対外援助予算を削減し、27年以降の防衛費を総額で年134億ポンドとする見通し。インテリジェンス部門を含めるとGDP比で2.6%になるとしている。
スターマー首相は26日から米国を訪問し、ウクライナ情勢などを巡ってトランプ大統領と会談する予定。トランプ氏は就任以前から、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛費について、GDP比5%まで引き上げるべきだとの考えを示してきた。
NATO加盟国ではデンマークが2月、26年までに防衛予算を500億デンマーククローネ(約69億9,000万ドル)増額すると表明。GDP比では3%を超える見通し。
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