英国のシモンズ憲法・EU関係担当相は4日、ベルギーのブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)・英国フォーラムに出席し、対EU関係の「リセット」をあらためて呼びかけた。5月19日に英国で開かれるEUとの首脳会議(サミット)で、安全保障や貿易で何らかの合意を取り付けたい考えを示している。
シモンズ氏は、英国はEUとの防衛協力でより大きな役割を果たせるとした上で、経済についてもさらに踏み込む用意があると強調。また、英国とEUの間には貿易と投資に関する障壁が残されているが「世界が激しく変化する中で英国とEUは多くの共通の利益と課題を抱えている」として、障壁を取り除くことが双方の利益につながると述べた。
英国は5月の首脳会議で貿易協力協定(TCA)の見直しに向けた正式な交渉に着手する計画だが、双方には依然として隔たりもある。英国は家畜や食品の検疫を軽減するため、EUとの基準調整を求めているが、EU側は英国がEUの農業規則に従う必要があると主張。一方、EUは18~30歳の若年層の居住・就労を3年間互いに認める新制度を提案しているが、英国はこれが単一市場への回帰につながるとして拒否している。
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