英国のリーブス財務相は29日、低迷する国内経済の再生計画を発表した。ロンドン・ヒースロー空港の第3滑走路新設や、イングランド南東部を技術革新と成長産業の拠点とする「オックスフォード―ケンブリッジ成長回廊」など数多くのプロジェクトを打ち出している。
リーブス氏は、ヒースロー空港第3滑走路の建設を支持すると明言。これにより成長と投資、輸出が促され、10万人超の雇用が創出されるとの見方を示した。ロンドンのガトウィック空港とルートン空港の拡張計画についても近く決定を下す予定。イングランド北東部のドンカスター・シェフィールド空港の再開計画も支援するとしている。
空港拡張計画を巡っては、政府の温室効果ガス排出量削減目標に反するとの批判もある。リーブス氏は今回、持続可能な航空燃料(SAF)の国内生産を支援するため、2025/26年度に6,300万ポンドを拠出する計画も明らかにした。
「オックスフォード―ケンブリッジ成長回廊」計画では、両市間を生命科学やテクノロジー、先進製造などの強みを生かした「英国版シリコンバレー」として開発する方針。これにより、780億ポンドの経済効果を創出できるとみている。
このほか、海洋保護区域を見直すことにより、設置容量16ギガワット相当の洋上風力発電プロジェクトの承認を促す方針も明らかにした。これにより最大300億ポンドの民間投資を実現させるとしている。
政府はかねて、次回選挙までに150の主要インフラ建設事業を承認する方針を掲げる。リーブス氏は今春にも「プランニングおよびインフラ法案」を提出し、プロジェクト承認手続きの見直しと簡素化に取り組むとしている。
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