ドイツのショルツ首相は22日、フランスのパリを訪問し、同国のマクロン大統領と会談した。両首脳は、米国のトランプ大統領が関税政策で圧力をかけていることを巡り、欧州連合(EU)の結束を確認。ドイツとフランスを中心に団結し、トランプ政権と向き合うとアピールした。
ショルツ氏は記者会見で、「私たちの立場は明確だ。欧州は約4億5,000万人の人口を抱える巨大経済圏で、強く団結している」とコメント。関税政策をはじめとするトランプ氏の言動については「挑戦であることは明らかだ」としつつ、「逃げも隠れもしない」と述べた。米国にとっての「建設的なパートナーになる」とも主張した。
マクロン氏は「欧州が強く結束するには、われわれが今まで以上に役割を果たす必要がある」と強調。トランプ政権との関係性についても、「欧州の今まで以上の結束が唯一の対策だ」と語り、ドイツとともにEUの結束を主導するとした。
結束とリーダーシップをアピールした両首脳だが、国内では共に政治基盤が弱体化している。フランスではマクロン氏が率いる与党連合が昨年7月の国民議会(下院)選挙で敗北。ドイツでは2月の連邦議会(下院)選挙でショルツ氏が所属する社会民主党(SPD)の苦戦が予想されている。一方、イタリアのメローニ首相ら欧州の右派ポピュリスト政党指導者らはトランプ氏と良好な関係を築いており、EU内でも足並みがそろうかどうかは不透明だ。
トランプ氏は輸入品への追加関税を巡り、メキシコやカナダ、中国などを中心に全ての国に一律関税を課すとして揺さぶりをかけている。
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