英国の経済成長は、ロンドン都市圏を含む南東部のサービス輸出が鍵となる――。シンクタンクのセンター・フォー・シティーズが20日発表したリポートで、こうした分析を明らかにした。労働党政権は北部での産業強化に動いているが、経済成長を加速させるには、すでに強固な輸出基盤がある南東部に注力することが最も効果的という。
センター・フォー・シティーが国内の主要63都市を対象にまとめた年収調査では、全国平均を上回る都市の大半が南東部に位置していることが明らかになった。南東部の年収は全国平均を1万2,800ポンド上回る。一方、就労者1人当たりの輸出高は給与水準と連動しており、IT(情報技術)や金融といった付加価値の高いサービス産業での輸出強化が、経済成長に向けた近道になると指摘する。
労働党政権は産業戦略で、国内の南北での経済格差の解消が英国全体の成長につながるとして、成長産業を中心に全国で投資を促進する方針を打ち出している。センター・フォー・シティーはこれについて、輸出基盤の強化に加え、特定の産業ではなく地域ごとの状況に即した支援や、地域格差の解消よりも包括的な経済成長に注力するよう訴えている。
主要63都市の調査では、年収の全国平均は3万7,206ポンドだった。最も高いのはロンドンの4万9,455ポンドで、ロンドン西郊のスラウ(Slough)が4万8,110ポンドでこれに続く。一方、最も低いのはイングランド北部バーンリーで2万9,508ポンドだった。
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