2025年2月23日の実施がほぼ確実となっている、ドイツ連邦議会(下院)選挙に向け、与党・社会民主党(SPD)と緑の党、最大野党のキリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)連合は17日、選挙公約を公表した。ショルツ首相が所属するSPDは、企業向けの政策として、「メード・イン・ジャーマニー・ボーナス」と名付ける投資促進策を打ち出した。企業の設備投資に対し、投資額の10%を税還付の形で資金提供する内容だ。
SPDは公約に、食料品に対する付加価値税(VAT)率を現在の7%から5%に引き下げることや、最低時給を26年に15ユーロに引き上げることも盛り込んだ。「国民の95%を対象に、経済的負担を軽減する」と約束し、所得税改革も実行する方針だ。
SPDと連立を組む緑の党は、公約に電気自動車(EV)購入の促進策を盛り込んだ。低・中所得者向けの税制優遇や、カーリース制度などで普及拡大を目指す。このほかの経済政策としては、イノベーションやインフラへの民間・公共投資の拡大や、安価なエネルギーと熟練労働者の確保に取り組むと明言した。行政手続きの非効率性を改善することも約束。公共支出を増やすため、「債務ブレーキ」と呼ばれる、借入額を対国内総生産(GDP)比で0.35%までに抑える基本法(憲法)上の規定を、改革する方針も示した。
政権奪還を狙うCDU・CSU連合は、大幅な減税を約束する。所得税率を段階的に引き下げるほか、旧東独地域の経済開発支援に充てている「連帯税」を廃止する方針だ。法人税の最高税率を25%に抑えることも提案。飲食店のVATを、19%から7%に引き下げることも主張する。大型減税を打ち出す一方、債務ブレーキは堅持する考えだ。
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