中銀のフランス銀行は16日、2025年の国内総生産(GDP)成長率が0.9%になるとの見通しを示した。世界経済の先行き不透明感が増す中、国内の政治的混乱が個人消費や企業投資にマイナスの影響を与えているとして、前回9月時点の予想の1.2%から下方修正した。26年については、前回予想の1.5%から1.3%に引き下げている。
中銀は、第4四半期(10~12月)の成長率はゼロ%になると予想。今年通年では1.1%に据え置いた。
インフレ率については、今年は平均2.4%だが、向こう3年間は欧州中央銀行(ECB)の目標である2%を下回る水準で推移するとみる。25年は1.6%、26年は1.7%、27年は1.9%との見通しを示している。
フランスでは来年度予算案を巡る対立でバルニエ政権が総辞職し、バイル元法相が今年に入ってから4人目の首相に任命されたばかり。国民議会(下院)では16日につなぎ予算案が可決された。バルニエ前政権は来年度予算で、政府債務を対GDP比で5%に抑えることを目指したが、最大勢力の左派連合「新人民戦線(NFP)」と第3勢力の極右政党・国民連合(RN)が大規模な財政削減に反発し、不信任決議を提出した。中銀は、緊縮財政を進めなければ公的債務残高は27年までに対GDP比で117%に拡大すると警鐘を鳴らしている。
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