英政府統計局(ONS)は28日、昨年6月までの1年間で英国の純移民数が90万6,000人となり、過去最多を更新したと発表した。推定値は74万人だったが、利用可能なデータが増えたことなどから大幅に上方修正。ただ、前保守党政権が今年初めに移民規制を強化したことで、減少し始めている。
純移民数は、対象期間に英国に移住した人の数から、同国を離れた人数を引いた数値。今年6月までの1年間で見ると、純移民数は前年同期比で20%減少して72万8,000人だった。前政権が留学生や介護労働者に対し、扶養家族の帯同禁止や年収要件の引き上げなど規制を強化したことが一因となった。
英国に移住したのは120万人で、そのうち86%を欧州連合(EU)非加盟国の出身者が占めた。出身国の上位はインド、ナイジェリア、パキスタン、中国、ジンバブエ。EU域外からの渡英者の8%に当たる8万4,000人が庇護希望者だった。
内務省が別に発表した9月までの1年間のビザ申請数では、医療・介護従事者が65%、学生が19%、学生の扶養家族が84%それぞれ減少しており、今後も下降傾向が続くとみられる。
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