• 印刷する

新法で企業負担50億ポンド増 労働者の権利強化=政府試算

英政府が提案している「雇用権利法案」が導入されれば、企業のコスト負担は全体で年間50億ポンド増える見通しだ。政府が21日公表した報告書で明らかになった。労働者の権利を強化する同法案は、特に中小企業に大きな影響を及ぼすとみられている。

政府はこの報告書で、同法案の経済的影響を分析。その結果、同法案が導入された場合、企業のコストは年間50億ポンド増えると予想する。ただ、追加コストが企業の雇用費全体に占める比率は0.4%未満と、「緩やかな増加率にとどまる」とし、これが雇用意欲に大きな影響を及ぼす可能性も低いと指摘した。

ただし、中小企業では、事務管理や法令順守などの固定的費用が増える影響で、追加コストの負担が総じて大きくなるとみる。また、平均賃金が低い業種では、新法導入による雇用費の増加率が1.5%弱と、比較的高くなる見通し。この結果、フレキシブル契約や低賃金労働に依存する企業では雇用意欲が減退する恐れもあり、失業者の復帰がより困難になる可能性もあると分析した。

政府が10日発表した「雇用権利法案」は、雇用法を改正して労働者の権利を強化するもの。従業員をいったん解雇して再雇用する慣行の廃止や、雇用初日から育児休暇や疾病手当を付与することの義務付け、最低労働時間を保証しない「ゼロアワー」契約の禁止、勤務時間外に業務対応しない「つながらない権利」の保証など28項目から成る。[労務]


関連国・地域: 英国
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務

その他記事

すべての文頭を開く

英米貿易協定、不透明感拡大 トランプ関税に違法判決=米司法(05/30)

英、年金改革案発表=メガファンド設立構想(05/30)

国防省、サイバー分野に10億ポンド投資(05/30)

乗用車生産台数、4月は8.6%減少(05/30)

日本車の対欧輸出、4月はまだら模様(05/30)

英国最大のバイオエタノール施設が閉鎖危機(05/30)

渋滞税20%引き上げ提案 ロンドン交通局、26年から適用へ(05/29)

当局、水道テムズに1.2億ポンドの罰金命令(05/29)

スコットランド2空港、職員がスト決行も(05/29)

下院、終末期患者への「死の援助」法案可決(05/29)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

各種ログイン