英国のスターマー首相は16日、イタリアの首都ローマで同国のメローニ首相と会談し、不法移民対策などについて協議した。不法移民数を前年比6割超減少させることに成功したイタリアの政策を参考にする姿勢を示している。
イタリアは欧州連合(EU)と協調し、不法移民の出発国側であるチュニジアとリビアに資金援助を行い、国境・沿岸警備の強化や、巡視船の確保、現地の企業や教育への投資を進めた。地中海経由でイタリアを目指す不法移民をアルバニアに送り、難民申請の結果が出るまで仮収容する計画も進めている。
スターマー氏はメローニ氏との会談に先立ち、イタリアの不法移民調整センターを訪問し、こうした政策について詳しく話を聞いた。英仏海峡を小型ボートで渡ってくる不法移民の削減に取り組むために新設された「国境安全保障部隊」の指揮官も随行した。
メローニ首相との会談では、イタリアの不法移民の出身国側に働きかけ、根本的原因を断つ計画に英国が400万ポンドを提供することで合意した。密航業者への違法な資金提供の摘発で協力することや、密航用ボートの供給網を断つために情報を共有することでも合意した。
首脳会談ではほこのほか、イタリア企業が英国内で4億8,500万ポンドの投資を行うことも決まっている。
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