ドイツのエネルギー大手RWEは、北部ニーダーザクセン州リンゲン(Lingen)のグリーン水素プロジェクトが始動したと発表した。容量合わせて14メガワットの電解槽を使った試験生産を開始しており、2027年までに規模を300メガワットに拡大する計画だ。
生産設備はエムスランド・ガス火力発電所の敷地内にあり、再生可能エネルギー由来の電力を用いて、1時間当たり270キログラムの水素を生産することができる。容量10メガワットのアルカリ水電解装置(AWE)と4メガワットのプロトン交換膜(PEM)型の電解装置があり、どちらが商業生産に適しているかを見極める。
今後は商業生産に向け、25年に電解槽を100メガワットまで増やす。プロジェクトは、ドイツ政府とニーダーザクセン州政府から計4億9,000万ユーロの補助金を得ている。
同プラントで生産されたグリーン水素は、ニーダーザクセン州と西部ノルトライン・ウェストファーレン州の企業に供給する予定。これに向け、リンゲンとノルトライン・ウェストファーレン州ゲルゼンキルヘン(Gelsenkirchen)を結ぶ全長130キロメートルのパイプラインを整備する。
リンゲンのグリーン水素プロジェクトは、ドイツ政府が進める水素イニシアチブ「ゲットH2」に組み込まれている。このイニシアチブはグリーン水素によるエネルギー転換を進めるためのもので、再生エネや水素生産を後押しするほか、32年までに全長約9,700キロメートルの水素供給網を構築する計画だ。[環境ニュース]
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