英政府は16日、軍事力の見直しに着手すると発表した。国防費を国内総生産(GDP)の2.5%に引き上げることをあらためて確認したほか、専門家らによる評価を行う計画で、軍備増強に乗り出す。
スターマー首相は、北大西洋条約機構(NATO)と共に世界の安全保障の強化に貢献していく方針を打ち出している。NATOでは今後も主導的な役割を担うほか、ロシアによる侵攻が続くウクライナの支援の継続、核抑止力の維持と核兵器の近代化、軍の装備の見直しなどに向けた分析評価を行う。また、サイバー攻撃や偽情報の拡散など新たな脅威に対する理解を深め、迅速に対策を講じる体制を整えるとしている。
評価プロジェクトはヒーリー国防相の監督の下、1999~2003年にNATO事務総長を務めたジョージ・ロバートソン氏が指揮を執る。また、米国家安全保障会議(NSC)の元欧州・ロシア担当首席顧問フィオナ・ヒル氏など外部の専門家を招くほか、退役軍人や産業界、学術会とも協力して、徹底的な調査や分析を進める。25年上半期(1~6月)に報告書をまとめる予定だ。
ヒーリー国防相は「新時代の英国には新時代の防衛が必要」とした上で、軍の空洞化や士気の低下を放置することはできないと述べた。不安定な国際情勢や新たな技術による変化に対応していくことの重要性を強調している。
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