英国の労働党新政権は9日、成長産業への投資促進策の中核として「ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)」を新設する方針を打ち出した。5年間で総額73億ポンドの公共資金を投じることにより、約200億ポンドの民間投資を誘致できると見込む。詳細は年内に公表する予定だが、既存の英国インフラ銀行(UKIB)を通じてただちに資金を拠出し、投資誘発への即効性を狙う。
NWFの新設は、経済成長を主眼とする労働党のマニフェストの柱の一つだった。今後NWFの下で、UKIBと、中小企業への融資を支援する国営のブリティッシュ・ビジネス・バンク(BBB)を連携させる方針だ。政府は、NWFを恒久的な機関として法制化することも計画している。
リーブス財務相は「英国は企業に扉を開いている」と強調。「変革への取り組みはすでに始まった」と語った。
同氏がNWFの新設に向け設置したタスクフォースには、英中銀イングランド銀行のカーニー前総裁のほか、保険大手アビバおよびリーガル・アンド・ゼネラル(L&G)、金融大手ナットウエスト・グループ(旧ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ)のトップらも参加している。
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