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英総選挙、きょう投開票 14年ぶりに労働党政権誕生へ

英国で4日、下院(定数650)選挙の投開票が実施される。各種世論調査では、最大野党・労働党が大きくリード。400以上の議席を獲得し、14年ぶりの政権交代が実現する見込みだ。与党・保守党は、スナク首相も議席を失う危機に立たされるなど、過去100年以上で最大の惨敗となる公算が大きい。

ガーディアンは3日、国内の主要な世論調査会社が発表した最新の調査結果の平均値を公開した。労働党は支持率40.3%で圧倒的トップ。2位の保守党は20.7%で、その差は約20ポイントとなっている。3位は右派ポピュリズム政党のリフォームUK(旧ブレグジット党)で16%。これに中道左派の自由民主党(11.3%)、緑の党(5.8%)が続く。

労働党は過半数の428議席を獲得する見込みだ。スターマー党首は経済成長を最優先し、「増税と支出拡大」という従来の労働党のイメージを脱する姿勢を打ち出している。所得税率、国民保険料率、付加価値税(VAT)率はいずれも引き上げず、法人税率は25%を上限とする公約を掲げ、選挙戦では14年間続いた保守党政権からの「変革」の必要性を繰り返し主張して支持を拡大した。

保守党はインフレ抑制や経済再建、不法移民対策など政権の実績をアピール。国民保険料率をさらに2ポイント引き下げ、さらなる減税を進める方針を掲げるが、有権者には響いていない。ここ数日は候補者が選挙日程を巡る違法な賭博をしていたとの疑惑も報じられるなど、厳しい状況を覆せなかった。19年の前回選挙から大きく238議席減らす見通しで、ハント財務相やシャップス国防相など重鎮も議席を失うもよう。

リフォームUKは、スナク氏が選挙日程を発表した5月22日時点の11.8%から、大きく支持を拡大した。移民問題では強硬姿勢を貫き、100日以内の欧州人権条約からの離脱や、国内の不法移民ゼロを公約とした。獲得議席は3にとどまる見込みだが、ファラージ党首はかねて「今回の選挙で勝つつもりはない」と強調。「今後5年でどのようにして労働党に挑戦するか」をテーマに掲げている。

自由民主党は、29年までに医療保健と防衛、教育に年間270億ポンド近くを投じる公約を掲げる。前回選挙では11議席にとどまったが、今回は大きく50議席に伸ばす見込み。英国からの独立を訴えるスコットランド民族党(SNP)は、19議席に後退しそうだ。


関連国・地域: 英国
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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