英国産業連盟(CBI)は、次期政権がネットゼロ計画を経済政策の中心に据えれば、2030年までに570億ポンドの経済効果があると試算している。CBIのレイン・ニュートンスミス最高経営責任者(CEO)が1日、ロンドンで開かれた気候変動関連の会議の演説で明らかにした。
ニュートンスミス氏は、「誰が次期政権を担おうと、環境に配慮せずに経済成長を促進し、国民と地域社会に貢献することはできない」と訴えた。23年の英国の経済成長率はわずか0.1%だったが、CBIはネットゼロ関連分野は9%成長したと指摘。この市場で迅速に行動できる国が世界的に優位性を確保できるとし、次期政権はグリーン経済の成長により、年率で約2.4%に当たる570億ポンドの経済成長をもたらす可能性があると述べた。
CBIは、こうした成長を達成するため、◇投資家に英国のグリーン経済の投資機会を訴えること◇省庁間の調整のため内閣府にネットゼロ・デリバリー室を設置すること◇公共支出により民間投資を呼び込むようなネットゼロ投資計画を策定すること◇グリーン技術の拡大を支援すること◇送電網を急速に拡大すること――の5点を挙げている。
4日に実施される総選挙では労働党の勝利が見込まれているが、同党は当初、グリーン政策への投資として年間280億ポンドを掲げていたが、財政悪化を懸念して237億ポンドに引き下げた。保守党もグリーン移行計画を縮小している。[環境ニュース]
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