英国民の政治に対する信頼感が、過去最低水準に低下している。全国社会調査センター(NatCen)が12日に発表した第41回「英国社会態度調査(BSA)」によると、政党にかかわらず政府を「ほとんど信頼しない」と答えた人の割合は45%で、2020年時点から大きく22ポイント上昇。1986年に同様の質問が設定されて以来、最高を記録した。
全国社会調査センターは、国民の生活や政治意識を調べるために同調査を実施している。これによると、「政党や政治家にかかわらず、窮地に追い込まれた際に真実を語ることがほとんどない」と答えた人が58%に上り、こちらも20年時点から19ポイント上昇して過去最悪となった。なお、国民の約8割は、現在の政治システムについて「かなり、もしくは大いに改善できるはずだ」と答えている。
全国社会調査センターはこの結果について、19~24年の政治的混乱が原因だと分析。新型コロナ禍に当時のジョンソン首相が規制違反パーティーに参加していたことや、後任のトラス前首相が大型減税政策で失敗し、英史上最短となる45日で退任に追い込まれたことなどが、政府への不信感を招いたとしている。
7月4日の総選挙に向け、スナク首相率いる与党・保守党は大型減税政策をマニフェストに掲げて支持拡大を図っている。ただし、最大野党・労働党には支持率で約20ポイント差を付けられるなど敗北が予想されており、14年ぶりの政権交代が現実味を帯びている。
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