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欧州議会選、右派躍進へ 国内事情が鍵に=6~9日実施

欧州連合(EU)加盟27カ国で6~9日、欧州議会(定数705)選挙が行われる。2019年の前回選挙では環境会派「緑の党・欧州自由連盟(Greens・EFA)」が躍進したものの、今回の選挙では全体として右派や極右の議席増が見込まれている。ただ、票の行方を決める加盟各国の国内事情はさまざまだ。BBC電子版が2日伝えた。

フランスでは、極右政党・国民連合がマクロン政権への不満票を取り込み首位に立つ見通し。世論調査では同党の支持率が32%超と、マクロン氏率いる与党・再生(旧共和国前進)の約15%を大きく上回る。同国では社会党の支持率も約15%に達しており、再生が2位を確保できるかどうかに注目が集まる。

ドイツでも右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が数々のスキャンダルにもかかわらず支持を集めており、ショルツ首相率いる社会民主党(SPD)を破って2位につけるかどうかが注目される。ショルツ氏はウクライナへの武器供与への対応で左右両派から批判を受けている。

一方、イタリアではメローニ首相率いる極右政党「イタリアの同胞」が得票率27%前後で勝利するとみられる。前回の欧州議会選で首位に立った右派「同盟」の得票率は8%程度に落ち込む見通し。メローニ氏は欧州の政治舞台で、欧州議会の極右会派からも、欧州委員会からも協力を求められる好ポジションを築いている。

またスペインでは、最大野党の中道右派・国民党(PP)が中道右派シウダダノス(Ciudadanos)から票を奪い躍進するとみられている。

ポーランドでは、親EUのトゥスク首相率いる中道左派の与党・市民プラットフォーム(PO)と、右派の最大野党・法と正義(PiS)の支持率がともに約30%で拮抗。トゥスク氏が安全保障とロシアの脅威を争点とする一方、PiSはエネルギー価格高騰、EUの環境政策による農業への打撃を巡る不安を煽っている。

ハンガリーでは、オルバン首相率いる右派の与党・ハンガリー市民連盟(FIDESZ)が支持率44%で首位に立つものの、支持率は低下傾向にある。一方、同党から離脱したペーター・マジャール氏が新設した政党TISZAの支持率は26%で、拡大傾向にある。同氏は今回の欧州議会選で善戦し、26年の総選挙で与党を下すことを狙っている。


関連国・地域: EU
関連業種: 政治

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