ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は23日、ドイツ経済は今年も大きな改善は見込めないとの見通しを明らかにした。国内外で需要回復の兆しは見られるが、エネルギー価格や原料価格、労働力不足といった問題のために、企業の間では悲観的な見方が強い。
DIHKは国内企業2万4,000社以上を対象に調査を実施。現在の業況が「良い」と答えた企業は28%、「悪い」は23%だった。ただ、鉱工業に限ると「良い」が23%、「悪い」が28%と逆転する。
向こう1年の業況については、悪化を見込む企業が全体で26%と、改善の16%を上回った。また、輸出は拡大を見込む企業が21%なのに対し、26%は縮小を予想する。
事業上のリスクでは内需を挙げた企業が最も多く、全体の55%に上った。製造業に限ると、66%が新規受注の低下を懸念。これは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期の68%に次ぐ水準となっている。
これ以外では、54%の企業が、エネルギー価格と原料価格の高止まり、および熟練労働者の不足をリスクに挙げた。このうちエネルギー・原料価格については、過去最高となった2022年秋の82%からは大きく低下しているものの、長期平均の43%と比べると依然として高めで推移している。
こうした中、企業の多くは投資にも慎重で、回答企業のうち31%は縮小を予定。増やすとした24%を上回った。また、新規雇用を拡大すると回答した企業は13%、縮小するとした企業は20%だった。
DIHKは今回、24年の国内総生産(GDP)は前年から横ばいになると予想。家計最終消費支出と政府最終消費支出がそれぞれ1%、1.5%伸びる半面、投資を示す総固定資本形成は1.3%落ち込むとみる。輸出は横ばい、輸入は0.5%縮小する見通し。一方、インフレ率は2.3%と、22年の6.9%、23年の5.9%から大きく減速するとの見方を示した。
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