大手会計事務所BDOは10日、英国企業の業況見通しが過去20年間で最低の水準に落ち込んでいることを明らかにした。ユーロ圏債務危機が収束する見通しが立たず、国内の個人消費が落ち込む中、景気の先行き不透明感が一段と強まっているようだ。
BDOは毎月、英産業連盟(CBI)や中銀のイングランド銀行などが実施する主な景況感調査の結果を加重平均し、独自の企業景況感指数を発表している。それによると、8月は向こう6カ月間の取引状況を予想した「楽観指数」が89.1ポイントと、前月から4ポイント悪化。20カ月連続で低下しており、1992年の統計開始以来最低の水準に落ち込んでいる。
また、企業の向こう3カ月間の売り上げ予測を示す「生産指数」も90.8ポイントと、7月の93.9ポイントから悪化。3カ月連続で低下している。成長のプラスとマイナスを分ける95ポイントを大きく下回ったことで、今年下半期の景気見通しに暗雲が立ち込めた形だ。
BDOのパートナー、ピーター・ヘミントン氏は「政府の投資支出削減の規模があまりにも大き過ぎる上、その影響の軽減措置を取るのが遅すぎる」と指摘。政府がここへきてインフラ投資を促進しようとしている点については、「歓迎する」としている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。