電気自動車(EV)バッテリーを手がけるフランスのオートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)は12日、金融機関から44億ユーロを借り入れると発表した。足元のフランスのほか、ドイツとイタリアでのギガファクトリー建設資金に充てる。同社は、欧州自動車業界としては最大規模の借り入れ額だとしている。
ACCは、2030年までにフランス北部ドゥブラン(Douvrin)と、ドイツ南西部カイザースラウテルン(Kaiserslautern)、イタリア中部テルモリ(Termoli)に年産能力がそれぞれ40ギガワット時のギガファクトリーを建設する計画を進めている。投資総額は70億ユーロを見込む。同社は23年5月、フランス北部オードフランス地域圏のビリーベルクロー(Billi-Berclau)に、最初のリチウムイオン電池(LIB)生産拠点を開設している。
今回の融資は、同社のフィナンシャルアドバイザーを務めるフランスの金融大手BNPパリバのほか、ドイツ銀行やオランダのINGグループ、イタリアのインテーザ・サンパオロ、フランス政府公的投資銀行(BPIフランス)、ドイツ保険最大手アリアンツ傘下の信用保険大手ユーラーヘルメス(Euler Hermes)、輸出信用機関のイタリア外国貿易保険(SACE)が行った。
ACCに出資する欧米自動車大手ステランティスと、フランスの石油大手トタルエナジーズ(旧トタル)の産業用電池子会社サフト(Saft)、ドイツの自動車大手メルセデス・ベンツ・グループ(旧ダイムラー)も増資を約束。金額は明らかにされていないが、3月末までに、3社の出資比率はステランティスが45%、メルセデス・ベンツが30%、サフトが25%になる見通し。[環境ニュース]
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