欧州連合(EU)は1日の臨時首脳会議(サミット)で、ウクライナに500億ユーロの追加支援を行うことで合意した。追加支援にはこれまでハンガリーが反対し続け、EUの結束が試されていたが、同国が賛成に回ったことを受け、全会一致で承認された。
ミシェルEU大統領は、「EU予算からウクライナに500億ユーロの追加支援をすることで、全27カ国の首脳が合意した」と発表。これにより、同国に長期にわたり安定して資金を提供できるとの考えを示した。
追加支援は、2024~27年のEU予算から拠出される。500億ユーロのうち、170億ユーロは贈与、330億ユーロは貸し付けとなる。
ウクライナのゼレンスキー大統領は追加支援の決定を受け、感謝の意を表明。「EUによる財政支援の継続は、ウクライナの長期的な経済・財政の安定を強化するもので、軍事支援や対ロシア経済制裁と同様に重要」と強調した。
EUは昨年12月のサミットでもウクライナへの追加支援について協議したが、ロシアのプーチン政権との関係が深いハンガリーのオルバン首相が反対し、承認されなかった。
ロイター通信などによると、EU各国首脳はその後、オルバン氏にEUとの団結を優先するよう訴えるなど、説得を続けてきた。同氏は最終的に、支援の実施について毎年サミットで協議することや、2年後に全加盟国が合意すれば支援を見直すことを条件に、反対を取り下げたという。
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