ドイツ東部テューリンゲン州のザーレオルラ(Saale-Orla)郡で28日、首長選挙の決選投票が行われ、右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の候補者が予想外の敗北を喫した。14日の第1回投票では同党の候補者が首位だったが、ドイツではその後、全国でAfDに対する大規模な抗議デモが展開されていた。
決選投票では、中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)のクリスチャン・ハーゴット候補が得票率52.4%で、AfDのウーバ・トゥルム候補に辛勝した。トゥルム氏は第1回投票では45.7%で首位に立ち、ハーゴット氏は33.3%にとどまっていた。
テューリンゲン州ではAfDの支持率が30%超と高く、昨年6月には同州ゾンネベルク郡でAfDのロベルト・ゼッセルマン候補が勝利。全国で初めて、同党に所属する政治家が郡の首長に選ばれた。
AfDは全国的にも20%を超える支持を得ており、特にテューリンゲン州を含む旧東独地域には同党の支持者が多い。同州とザクセン州、ブランデンブルク州では9月に州議会選挙が予定されており、AfDの躍進が予想されている。
ただ今年に入ってから、AfDの関係者が極右活動家らとの秘密の会合で、外国にルーツを持つドイツ国籍保持者を数百万人規模で国外に追放することを計画していると報じられた。これを受け、20~21日には全土で数十万人が参加する大規模な抗議デモが行われている。
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