欧州連合(EU)は14~15日の首脳会議(サミット)で、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援について協議する。500億ユーロの追加支援や、同国のEU加盟に向けた正式な交渉開始が承認されるかどうかが焦点となる。いずれも加盟27カ国の全会一致での支持が必要となるが、ハンガリーのみが反対している。
ロイター通信によると、ハンガリーのオルバン首相はサミットに先立ち、「ハンガリーは圧力には屈しない」と強調。ウクライナのEU加盟交渉の開始については「同国は事前条件を満たしていない」とし、条件が満たされた時点で協議するべきと述べた。
追加支援については、すでに短期的な支援を行っているため急いで決断する必要はないとした上で、「予算外でやりくりするべき」と主張した。その場合は同国も支持すると加えた。
EUは6月、ウクライナへの500億ユーロの復興支援を約束。2024~27年のEU予算から拠出する計画となっている。同国のEU加盟を巡っては、欧州委員会は11月、課題の90%超が達成されたとして、交渉の開始を認めるよう加盟国に勧告した。
今回のサミットではこのほか、イスラエル・パレスチナ情勢や、モルドバやジョージア、バルカン諸国のEU加盟問題、21~27年予算の中期見直し、安全保障・防衛、域内のユダヤ人やイスラム教徒に対する差別問題についても協議する。
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