英国のクレバリー内相は4日、移民流入数の抑制に向け、来春にビザ(査証)発給の要件を厳格化する計画を発表した。扶養家族の帯同禁止や年収要件の引き上げにより、30万人の移民削減を見込む。
医療・介護職の移民労働者向けの「ヘルス&ケア」ビザでは、扶養家族の帯同許可を打ち切る。技能労働者ビザについては、申請者に求める最低年収を現行の2万6,200ポンドから3万8,700ポンドに引き上げ、労働者が不足する職種を対象とした年収要件の緩和措置も廃止する。
英国市民や永住者の配偶者を呼び寄せるためのビザでは、最低年収を現行の1万8,600ポンドから3万8,700ポンドに引き上げる。留学生が大学や大学院を卒業後に2~3年間英国にとどまることを許可する制度については、「悪用を防ぐ」ため政府の移民政策顧問に見直しを求める。
政府はすでに、来年1月から博士課程などを除く学生ビザで扶養家族の帯同を禁止することを決めている。新たな措置と合わせて、昨年に受け入れられた移民30万人相当が、今後はビザを取得できないことになる。
英国の昨年の移民純増数は74万5,000人と、過去最多を記録した。クレバリー氏は、移民純増数が多すぎることは明らかだと指摘。英国人労働者や公共サービスを守るため、移民を減らすための措置が必要だとしている。[労務]
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