英国のチャールズ国王は1日、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で演説した。皇太子時代から環境問題に取り組む同国王は、気候変動対策は「予定より大幅に遅れている」と指摘し、早急に対応しなければ経済と人類の存続が脅かされると強調。COP28を「重要な転機」とするよう参加者らに呼びかけた。
同国王は2015年にフランスで開かれたCOP21で皇太子として演説したが、国王即位後のCOP出席は初めて。今回の演説では、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」がまとまったCOP21と同様、COP28を「真の転換をもたらす行動に向けた重要な転機」とするよう呼びかけた。
チャールズ国王はこれに向け、◇国際機関や各国の公共・民間部門および非政府組織(NGO)の効率的な協力◇持続可能な事業への投資資金の振り向け◇クリーンエネルギーなどの革新的技術の振興◇温暖化ガス排出の緩和・代替技術の活用◇次の100年に向けた長期的計画――の必要性を提唱した。
■スナク首相、16億ポンド拠出表明
スナク首相もこの日、COP28で演説し、世界の森林保護やエネルギー転換プロジェクトなどに16億ポンドを投じると発表した。
この中には、気候変動の影響を受ける途上国の「損失と被害」を補償する基金などに拠出する6,000万ポンドも含まれている。ロイター通信によると、森林破壊対策に5億ポンド、エネルギー転換プロジェクトに3億1,600万ポンドをそれぞれ投じる方針。[環境ニュース]
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