英政府は、韓国とエネルギー分野の安全保障の強化およびクリーンエネルギー転換の加速に向けて協力すると明らかにした。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の公式訪問に併せて、エネルギー安全保障・ネットゼロ省と韓国の産業通商資源省が22日に協定に調印している。
両国は低炭素技術や気候変動対策などにおける協力を拡大し、ネットゼロ化への取り組みを加速させる。また、企業間の協業を促進するとともに、貿易障壁の撤廃に向けた取り組みや双方のエネルギー産業の開発を後押ししていく。
具体的には、洋上風力発電の開発や、水素事業、韓国電力公社(KEPCO)と英国のエネルギー業界の監督機関Ofgemおよび送電大手ナショナル・グリッドの協力関係の強化などが含まれる。また、両国は1991年に原子力発電の協力協定を交わしているが、小型モジュール炉(SMR)を含めて民用原子力分野での協力を加速させる。なお、ブルームバーグは産業通商資源省筋の話として、韓国はウェールズ北西岸に接するアングルシー島のウィルファ(Wylfa)での新規原発の建設プロジェクトに関心を示していると報じている。
英政府によれば、韓国企業は英国の再生可能エネルギーやインフラ整備に新たに100億ポンド以上の投資を計画しているほか、再生エネ分野では1,000人以上の高技能職の雇用創出が見込まれている。
■FTA改定交渉を開始
英政府は同日、スナク首相と尹大統領が調印した「ダウニング街アコード」を公表した。両国の技術、防衛、安全保障、経済、エネルギーなど各分野での協力強化が狙いで、自由貿易協定(FTA)の改定に向けた交渉の開始も盛り込まれた。新たなFTAにはサプライチェーン(供給網)の強化やデジタル社会、エネルギー協力などの分野が対象に含まれる見通しだ。
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