英国のスナク首相は20日、インフレの減速を受け減税を進める方針を発表した。詳細は22日に公表する秋季予算案で明らかにする。
10月のインフレ率は年率4.6%と、10%を超えていた年初から大きく低下した。スナク氏は、インフレ率半減の公約が果たされたとし、経済政策を次の段階に進めて減税措置に目を向けることが可能になったと説明。減税は時間をかけて進め、インフレを助長することはしないとした。また、財源のない減税策で金融市場に混乱を招いたトラス前政権のような失敗は繰り返さないと強調している。
スナク氏は減税措置の詳細を明らかにしていないが、労働者の利益に焦点を当てる方針であることから、国民保険料が対象となる可能性が報じられている。勤労が報われるよう福祉制度を改革する計画で、就労支援や生活保護の不正受給の取り締まりを強化すると約束している。
同氏はまた、英国を世界で最も事業に適した国にするとし、法人向けの減税も示唆。減税と規制の簡素化で企業の投資やイノベーション、成長を支援する姿勢を示した。
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