英政府は16日、今後5年間で長期失業者の就業支援に25億ポンドを投じると発表した。22日に発表する秋季予算案に盛り込まれる。各紙報道によると、予算案では数億ポンド規模の電気自動車(EV)バッテリー生産支援策も打ち出される見通し。また、事業税および相続税の減税が検討されている。
就業支援策は、コロナ禍以降に長期疾患を理由とした失業者が急増していることを受けた措置。この対策で、うつ病患者らに国民医療制度(NHS)を通じて心理療法を提供するほか、重度の精神疾患を抱える10万人を対象に個別の就業支援を行う。また、春季財政報告に盛り込んだ就業支援の枠を年間5万人から10万人に拡大する。
一方、政府は先進製造業の促進策の一環で、バッテリー生産プロジェクトを支援していく。米国のEV大手テスラや中国の新興EVメーカーの工場を誘致する狙いがあるとみられる。政府は既に12億ポンドの「自動車変革基金」を設けているが、資金が底をつき始めており、業界からは新たな施策を求める声が上がっていた。
このほか、財政に予想以上のゆとりが生じていることを受け、相続税や事業税の税率を引き下げることも検討されているという。設備投資を全額、税控除の対象とする措置は、現行の終了期限である2025年度末以降も継続される可能性がある。
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