英国のスナク首相は13日、内閣改造を行い、ブレーバーマン内相を更迭した。後任にはクレバリー外相が就き、新外相にはキャメロン元首相が起用された。ブレーバーマン氏に対しては、親パレスチナのデモを巡り警察が左派を優遇していると主張したことで、辞任圧力が強まっていた。
スナク内閣では今回、コフィ環境・食料・農村相も辞任を表明し、後任にはバークレー保健・社会福祉相が就任。保健・社会福祉相の後任には、財務省の金融担当政務官を務めてきたビクトリア・アトキンス氏が抜てきされた。
ブレーバーマン氏は、イスラエル軍とパレスチナのイスラム組織ハマスの衝突を受け英国で行われているパレスチナ支援のデモについて、警察は右派を厳格に取り締まる一方で親パレスチナのデモで暴徒をほとんど野放しにしていると批判。最大野党・労働党は、警察の独立性を損ない分断をあおっているとして解任を要求した。与党・保守党内からも適性を疑問視する声が上がっていた。
一方、世間を驚かせたキャメロン氏の外相起用は、来年の総選挙に向けスナク氏が経験豊富な人材を求めていることの表れとみられる。首相経験者の閣僚就任は、数十年ぶりとなる。キャメロン氏は2010~16年に首相を務め、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票では残留を訴えたが、離脱が決まったことで辞任した。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。