ドイツ政府は9日、産業向けの電気料金補助について連立政権内で合意に達したと発表した。エネルギー集約型企業を中心に今後5年間にわたり支援を提供し、国内製造業の競争力を高める。支援額は来年だけでも120億ユーロに達する見込み。
新たな支援策では、製造業の全企業を対象に電力税を現行の1メガワット時当たり15.37ユーロから0.5ユーロに引き下げる。これは欧州連合(EU)で認められている電力税の最低水準となる。当初は2024~25年の2年間だが、財源が確保できれば28年まで3年間延長する。
厳しい国際競争にさらされているエネルギー集約型企業の約350社に対しては、既存の電力料金補助を増やすとともに、補助を5年間延長する。特に電力多消費型の約90社は、二酸化炭素(CO2)排出権取引で発生する間接的な排出関連コストも控除される。
産業向けの電力料金補助を巡っては、ハーベック副首相兼経済・気候保護相が支援の必要性を主張。これに対してリントナー財務相は、予算が膨大になることに加え市場原理をゆがめるとして反対し、連立政権内で意見が対立していた。[環境ニュース]
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