欧州委員会は8日、ウクライナの欧州連合(EU)加盟について、加盟交渉の開始を勧告した。EU加盟申請国の取り組みに関する評価報告で明らかにした。12月に開かれるEU首脳会議(サミット)で、加盟各国がウクライナとの交渉開始にゴーサインを出すかどうか、注目が集まる。
欧州委はウクライナを「国家存亡をかけたロシアとの戦争が続く中で、抜本的な改革を実行している」と評価。司法改革や、新興財閥の支配軽減、マネーロンダリング(資金洗浄)対策など、昨年の報告時に示した課題の90%超が達成されたと判断した。ただ、加盟交渉の枠組みについては、改革が完了した時点で採択する方針。来年3月にあらためて評価報告を実施する。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「EUを強化するための、強力かつ歴史的な一歩」と勧告を歓迎。12月のサミットでの交渉開始承認に期待感を示した。
欧州委は今回、モルドバとの加盟交渉開始も勧告。ウクライナやモルドバとほぼ同時に加盟を申請したジョージアについては、正式な加盟候補国としての承認を勧告した。
ボスニア・ヘルツェゴビナについては、加盟交渉開始の勧告を見送った。改革努力を評価する一方で、セルビア人を主体とするスルプスカ共和国で憲法に反する立法が進んでいることに懸念を示した。ボスニアは2016年に加盟申請し、昨年ようやく加盟候補国として認められた。[EU規制]
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