欧州委員会のフォンデアライエン委員長は4日、ウクライナの首都キーウで同国のゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナの欧州連合(EU)加盟に向けた取り組みを高く評価した。ゼレンスキー氏は正式な加盟交渉開始の条件を満たしたと自信を示しており、年内に交渉が始まるかに注目が集まっている。
フォンデアライエン氏は会談後、ウクライナは加盟実現に向け「素晴らしい進歩を遂げた」と評価。司法改革や新興財閥の影響力の抑制、マネーロンダリング(資金洗浄)対策など多くの面で課題を達成しつつあるとした上で、「存亡の危機がかかった戦争の最中に抜本的な改革を進めている」と称賛した。
欧州委は8日、ウクライナを含む候補国の加盟実現に向けた進捗(しんちょく)状況の報告書を公表する予定。EU政策専門サイトのユーラクティブはEU高官らの話として、この報告書でウクライナとの正式な加盟交渉開始が提案される可能性が高いと報じている。そうなれば、12月に開かれる欧州連合(EU)首脳会議(サミット)で交渉開始にゴーサインが出る可能性もある。
フォンデアライエン氏によると、欧州委は現在、ウクライナへの500億ユーロの追加支援実施に向けた経済改革案を策定している。資金は2024~27年のEU予算から拠出する計画で、こちらも12月のサミットでの承認が期待されている。
フォンデアライエン氏はこのほか、ロシアに対する経済制裁の第12弾を近く発表する方針を示した。また、EU域内で凍結されている総額2億ユーロのロシア政府資産からの収益をウクライナ復興に振り向ける措置も、間もなく提案するとしている。[EU規制]
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