英産業連盟(CBI)が21日発表した8月の業況調査によれば、受注残高が「通常の水準を上回っている」と予想した企業は「下回っている」より21ポイント少なく、7月のマイナス6ポイントから大幅に落ち込んだ。昨年12月以来の低水準で、市場予想も大きく下回った。
CBIは7月25日から8月15日にかけて456社を対象に調査を実施。輸出向け受注残高が「増えた」と回答した企業は「減った」と回答した企業より17ポイント少なかった。これは長期平均のマイナス21ポイントは上回る水準だが、マイナス26ポイントを記録した今年1月以降で最低だった。
向こう3カ月の生産量見通しは「増える」と回答した企業と「減る」と回答した企業が同数(0ポイント)となり、プラス11ポイントだった7月から大きく低下。在庫水準は「適切」とする企業が多かったものの、昨年6月以来の低水準を記録した。出荷価格はほぼ横ばいとなる見通し。
CBIの首席エコノミスト、アンナ・リーチ氏は「7月に堅調だった消費財分野が今月は低迷したことで、全体の需要が再び低下した」とコメント。消費財分野は向こう3カ月の生産見通しの押し下げ要因にもなっている。「ぜい弱な国内需要に加え、ユーロ圏債務危機が世界経済にも影響を及ぼしてきているとみられ、英製造業にとって事業環境は依然として厳しい」と述べた。
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