ドイツ中部ヘッセン州と南部バイエルン州で8日、州議会選挙の投開票が行われた。ヘッセン州では最大野党の中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)、バイエルン州では姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)がそれぞれ勝利。一方、ショルツ首相率いる連立政権の3党は、いずれも2018年の前回選挙から支持を落とした。また排外主義的な政策を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は票を伸ばし、ヘッセン州では第2党に躍進している。
ヘッセン州ではCDUが34.6%、AfDが18.4%を獲得。国政3党は社会民主党(SPD)が15.1%、緑の党は14.8%、自由民主党(FDP)は5%だった。
バイエルン州では州政与党のCSUが37%で第1党を維持したほか、連立相手の地域政党の「自由な有権者(FW)」は15.8%で2位につけた。AfDの得票率は14.6%に伸びたが、緑の党とSPDの得票率はそれぞれ14.4%、8.4%に減らしている。FDPの得票率は3%にとどまり、議席獲得に必要な5%に届かなかった。CSUは州政権の運営でFWとの連立を維持する方針を示している。
両州の人口は合わせて国内人口の約25%を占める。今回の選挙結果は国政与党に対する国民の不満を浮き彫りにした形で、ショルツ政権にとって大きな痛手となる。
出口調査では、移民削減に向けた政策の転換を望む有権者の割合は、ヘッセン州で73%、バイエルン州で83%にそれぞれ達している。9月には連邦議会(下院)で、新規の暖房システムを対象にエネルギーの65%以上を再生可能エネルギーで賄うことを義務付ける内容の法案が成立しており、これに対する反発もポピュリスト政党の躍進を助けたとみられている。
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