ドイツを代表する五つの経済研究所は28日発表した秋季合同経済予測の中で、今年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを4月時点のプラス0.3%からマイナス0.6%に引き下げた。金利上昇が経済に影を落とし、インフレ率の高止まりが消費を圧迫するとしている。
合同経済予測は、連邦経済技術省の委託により春と秋の年2回発表される。今回の予測は、Ifo経済研究所、RWI経済研究所、ドイツ経済研究所(DIW)、ハレ経済研究所(IWH)、キール世界経済研究所(IfW)が合同でまとめた。
それによると、企業景況感の悪化に加え、各種指標が生産の大幅な落ち込みを示しており、第2四半期(4~6月)に横ばいだったGDPは、第3四半期には0.4%縮小する見通し。
一方、物価上昇を受けた賃金上昇と、エネルギー価格の低下、輸出業者がコスト増加分を価格に転嫁していることなどを考慮すると、購買力は回復の兆しが見られる。よって、景気の低迷基調は年末までには収束するとの見方を示している。
来年のGDP成長率は1.3%と、春季予測から0.2ポイント引き下げた。2025年は1.5%の成長を見込む。中長期的には、労働人口の減少で経済成長が減速する可能性があると指摘する。
インフレ率は、今年は6.1%となり、来年は2.6%まで減速する。25年は1.9%になる見通し。
IWHは「今回の下方修正で最も重要なのは、産業と個人消費の回復ペースが当初予想よりも遅いことだ」と指摘した。
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