ドイツ連邦環境庁(UBA)は22日公表した報告書で、現行の気候変動対策では、2030年までの温室効果ガス排出量の削減目標を達成できないとの見通しを示した。追加措置を講じなければ、同国が目指す45年の炭素中立は実現できないと警告している。
ドイツ政府は、温室効果ガスの排出量を30年までに1990年比で65%削減し、45年までには実質ゼロにする目標を掲げる。
報告書によると、現在、実施されている措置だけでは排出量を30年までに63%しか減らすことができず、45年までの削減率は82%にとどまる見通し。現時点で計画中の措置を加えれば、30年までに65%の削減が可能となるものの、45年までには86%しか減らすことができず、いずれの場合も炭素中立目標は達成できないとしている。
中でも運輸、建物、鉱工業の各分野では、30年までの削減量が目標を大きく下回る見通し。一方、エネルギー、農業、廃棄物処理は目標を上回る削減を達成するとみている。
報告書は、UBAが連邦政府の気候変動専門家評議会と共にまとめた。UBAは、「今回の報告書は、気候変動目標の達成に向け、追加の措置が必要なことを明らかに示した」と指摘。排出量を30年までに22年比で40%減らす目標も必要と強調している。[環境ニュース]
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