欧州委員会は10日、ドイツ政府が計画するエネルギー集約型産業への電気料金の補助を承認した。この補助は国内企業が排出規制の緩い国に拠点を移す「炭素リーケージ」を防ぐことを目的としているほか、低炭素化に向けた取り組みを促す内容が含まれていることから、欧州連合(EU)の国家補助規制に抵触しないと判断した。
ドイツ政府は電気料金の上昇と排出量削減に向けたコストの拡大により企業が国外に拠点を移す懸念が高まっているとして、厳しい競争にさらされているエネルギー集約型産業を対象に総額65億ユーロの支援を実施することを決めた。企業の2021~30年の電気料金の65~95%を補助する内容で、対象となった企業は、受けた補助の半分以上に相当する額を省エネ対策や生産工程の低炭素化に投資することが義務付けられる。この割合は25年以降は80%に引き上げられる。
欧州委はドイツの国家補助について、同国のエネルギー集約型企業が国内に拠点を維持するために必要な措置と評価。また、低炭素化に向けた投資を条件としていることから、50年までの炭素中立を目指す「欧州グリーンディール」の目標達成にも貢献するとしている。[EU規制]
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