ドイツのエネルギー大手ユニパー(Uniper)は7月31日、2030年までに事業のグリーン化に80億ユーロ超を投資すると発表した。上半期(1~6月)決算で業績が力強く回復したため。これにより、炭素中立の達成期限を従来の50年から40年に前倒しする。
新たなグリーン投資は、年平均にすると過去3年の3倍以上の水準となる。太陽光・風力発電所への投資に重点を置き、30年までに発電容量の80%以上をゼロ排出とする計画。石炭火力発電は29年までに終了するとしている。またガス事業では、グリーン水素などの利用を拡大することにより、30年までに全体の5~10%をグリーンガスとすることを目指す。
マイケル・ルイス新最高経営責任者(CEO)は、「ユニパーの強みはグリーン電力とフレキシブルな電力の両方を持つことで、安定供給のためにはこの両方が必要だ」と説明。今後もガス火力発電の拡大や企業顧客へのガス供給は必要だが、グリーンガスの比率を増やすとしている。
■上半期は黒字転換
ユニパーは8月1日、上半期の純利益が94億4,300万ユーロとなり、前年同期の124億1,800万ユーロの赤字から黒字に転換したと発表した。EBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)は、7億5,700万ユーロの赤字から37億100万ユーロの黒字に回復した。
ルイス新CEOは「当社の経営は再び軌道に乗った」とコメント。同社はロシアからのガス供給減を受け経営が悪化し、昨年12月に政府から総額80億ユーロの注入を受け国有化されたが、今回の好業績を受け、さらなる資金注入の必要はないとの見方を示した。[環境ニュース]
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